AI動画編集サービスが増えている中で、ふと疑問が浮かびました。
「自分が必要としている機能だけなら、月額サービスに課金するより自分で作れるのでは?」
そこで今回は、Claude Codeを使ってAI動画編集ツールを実際に自作してみました。
結果として、最初のMVP開発に約2時間8分、その後の機能追加に約33分。
合計約2時間41分で、動画だけでなく、静止画・BGM・字幕・強調テロップにも対応するところまで実装できました。
なぜAI動画編集ツールを自作したのか
現在は、ショート動画の自動生成や字幕生成、切り抜きなどを行えるAIサービスが数多く登場しています。
もちろん、完成されたSaaSを使えばすぐに利用できます。
一方で、実際に使いたい機能が限られている場合、 「必要な部分だけ自分用に作る」という選択肢も、AIコーディングによって現実的になってきています。
今回はその検証として、完全に独立したローカル環境で動画編集Webアプリを作成しました。
最初のMVPを約2時間8分で開発
最初に作ったバージョンでは、1本の動画をアップロードして、自動的にショート動画へ変換するところまで実装しました。
- 動画アップロード
- 音声抽出
- 文字起こし用の処理基盤
- 無音区間の検出
- 30秒・60秒・90秒の切り抜き
- 9:16の縦型動画へ変換
- 字幕生成
- 冒頭タイトル
- 1080×1920のMP4出力
- ブラウザ上でのプレビュー・ダウンロード
動画処理にはFFmpegを使用しています。
最初のMVP開発にかかった時間は、実測で約2時間8分でした。
なお、この時間にはHomebrew経由の依存関係ダウンロード待ちも含まれています。
さらに33分で静止画・BGM・テロップへ対応
最初のバージョンを動かしたあと、そのまま追加開発を行いました。
追加したのは主に以下の機能です。
- JPG・PNG・WebPなどの静止画対応
- 複数画像からスライドショー動画を生成
- 静止画へのKen Burns風ズーム
- 動画と静止画の混在
- BGMのアップロード
- BGMの自動ループ・トリム
- フェードイン・フェードアウト
- 字幕とは別の強調テロップ
- 日本語テロップ対応
この追加開発にかかった時間は、約33分でした。
実際にこのツールで作った動画
実際に現在の自作ツールから書き出した動画がこちらです。
まだ開発途中のバージョンであり、市販のAI動画編集サービスと同等の完成度を目指した最終版ではありません。
※自作AI動画編集ツールから実際に書き出した開発途中のサンプル
現在どこまで自動化できているのか
現在のバージョンでは、素材をアップロードして設定を行うと、FFmpegを中心とした処理パイプラインが自動で実行されます。
- 動画または静止画をアップロード
- 必要に応じてBGMを追加
- タイトルや強調テロップを入力
- 自動編集を開始
- 9:16の縦型動画を生成
- ブラウザ上で再生
- MP4としてダウンロード
静止画だけでも動画を作ることができ、動画と画像を組み合わせることもできます。
そのため、単純な動画切り抜きだけではなく、商品紹介、解説動画、スライドショー、SNS用ショート動画などにも応用できる構成になってきました。
今回のAPIコストは0ドル
今回のPhase 1およびPhase 1.1の開発・テスト中に発生したAPI利用料は、実測で0ドルでした。
ただし、これは今回のテスト環境ではOpenAI APIによる実音声のWhisper文字起こしを使用していないためです。
今後、実際の音声を文字起こししたり、LLMでハイライトやテロップを自動生成したりする場合は、API利用料が発生する可能性があります。
まだ完成ではない。現時点で残っている課題
短時間でかなり多くの機能を実装できましたが、実際の動画編集サービスとして見ると、まだ改善したい部分があります。
- 実際の日本語音声を使った文字起こし精度の検証
- AIによる「一番面白い部分」の選定精度
- 字幕の表示タイミングやデザイン
- 静止画切り替え時の演出
- トランジション
- 強調テロップのアニメーション
- BGMと音声のより自然なバランス調整
- 人物や重要部分を意識した9:16クロップ
特に重要なのは、単純に動画を変換するだけではなく、 「AIがどこを使うべきか判断できるか」 という部分です。
AIコーディングで変わる「作るか、課金するか」の判断
数年前であれば、この規模の動画処理ツールを個人で短時間に作るのは現実的ではありませんでした。
しかし現在は、Claude CodeのようなAIコーディングツールを使うことで、実装・テスト・エラー修正・回帰確認までをかなり高速に進めることができます。
今回も、追加機能のPhase 1.1では約33分で実装からテストまで完了しました。
だからといって、すべてのSaaSを自作すべきという話ではありません。
完成されたサービスを月額料金で使った方が合理的なケースも当然あります。
重要なのは、 「課金するか、自分で作るか」という選択肢そのものが変わり始めている ことだと感じています。
次は有料AI動画編集サービスと同じ素材で比較する
今回の検証だけでは、自作ツールが既存のAI動画編集サービスより優れているとは判断できません。
そこで次は、同じ元動画を使って、
- 有料AI動画編集サービス
- 今回自作したAI動画編集ツール
の両方で動画を作り、実際に比較する予定です。
比較するのは、単純な料金だけではありません。
- 完成動画の品質
- 字幕精度
- ハイライト選定
- 処理時間
- 修正にかかる時間
- 使いやすさ
- カスタマイズ性
- 維持・保守コスト
まで実測していきます。
OmochiX視点:AI時代は「サービスを使う」だけではなくなる
今回、一番興味深かったのは、動画編集機能そのものよりも開発速度でした。
約2時間41分という短い時間でも、動画・画像・BGM・字幕・強調テロップまで扱えるWebアプリの形にすることができました。
もちろん、まだ市販サービスと比較できる完成度ではありません。
それでも、AIによって 「既存サービスを探して契約する」だけではなく、「自分に必要な機能だけ作る」 という選択肢が現実的になっていることは確かです。
今後OmochiXでは、この自作ツールをさらに改善しながら、有料サービスとの比較結果も公開していきます。